はじめに

Yumemigusa/flatのオリジナルコンテンツです。
サイトでは、なかなかリアルタイムでUPできないので、とりあえず、場所を作ってみました。
しばらく、試験的運用ですので、表示方法等ちょくちょくが変わると思いますが、ご容赦ください。
過去のオリジナルUP分については、こちらに
綾部のタワゴトはこちらにあります。
 
 
更新順に表示されます。
本文は、一部表示であとは「続き」にありますので、そちらをご覧ください。
 
なお、未読の方は◆目次◆をご利用くださいv
 
よろしければ、感想など、コメントいただけると嬉しいですv
 
 
 
 
 
 
 
 

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Under Domain 2-3

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 自分は、完全に部外者だ。
 これはそう簡単に、耳に入れていい話ではない。
 というよりも、聞けば禍となる類のものだ。今からでも遅くはないから、席を立った方がいいかもしれない。

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Under Domain 2-2

2-1  ←  Under Domain 2-2   →  2-3

  
 大人しくバイクにまたがった智樹に、彰は無言のままハンドルを握った。
 鍵谷が『ゴネているだろうが、何とかして連れてきてくれ』とまで言っていたから、もっと手間取るかと思っていたのだが、智樹は意外にもすんなりとついてきた。これだったら、わざわざ、自分が迎えになど来なくても、店に来たのではないだろうか。

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Under Domain 2-1

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2、
 
 普段ならば、とうに営業が始まっている時間だったけれど、外に置かれている看板の回転灯は回っていなかった。この近辺の人間は、回転灯がまわっていなければ、店は休みだと思っている節があって、そのせいか、客は一人としていなかった。
 いや。それだけではないかもしれない。
 今日は、他でもない。八月五日だったのだから。

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Under Domain 1-6

1-5  ←  Under Domain 1-6   →  2-1


 

 そして、くるりと踵を返すと、階段を下りていく。
 その潔さに、焦った。
 別に、この男についていかなかったとしても、住所は聞いているのだから、その場に行く事は可能だ。

 だが――。

 ぎゅっと手を握りこんだ智樹は、大きく深呼吸した後、慌てて階段のところまで駆け寄ると叫んだ。
「ちょっと待てよ!」
「――何だ?」

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Under Domain 1-5

1-4  ←  Under Domain 1-5   →  1-6


 

「お前も知りたがっていただろ?」
「そりゃ、そうだけど」
 そんな事を言われても、すぐには頭が働かなかった。
 昂に隠れてこそこそと調べるもの、もう限界といえば限界なのだ。昂が教えてくれる気になったというのなら、そのチャンスを逃すわけにはいかないとは思う。
 けれど。何故、その話を聞くのに、そこに行かなければならないのか。
「いい機会だから、智樹も知っておいた方がいい」
「けど、俺に首を突っ込むなって言ったのは、昂だろ? なんで、今更っ」
「……今更じゃあないよ」
 すいっと視線を逸らしながら言った昂に、智樹はすっと眉を寄せた。

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Under Domain 1-4

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 クーラーの良く効いた車から降りた瞬間、身体に絡みついた熱気に、智樹はげんなりとしたように溜息をついた。
 まだ、朝の七時を回ったばかりだというのに、やけに暑かった。前日の熱が冷めるまえに、太陽が昇ってしまったからだろうか。
 あれから。
 両親が智樹の前からいなくなってから、九年がたとうとしていた。
 あの日の明確な記憶は、年を追うごとに、どんどん薄れてしまっていっていたけれど、この身体にまとわりつくような暑さと、それと同時に感じた絶望だけは、忘れる事はなかった。

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Under Domain 1-3

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 信号待ちの間に、ポケットの中にある、戦利品の存在を確かめた智樹はにやりっと笑った。
 三度目にして、やっと出し抜いてやった。まさに、三度目の正直、と言うヤツだ。
 日付が変わっても、気温はさほど下がってはいなかったが、依頼の成功はそんな暑さなど、忘れさせてくれた。額に浮かんだ汗さえも、今日に限っては全く気にならなかった。

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Under Domain 1-2

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 既に寝静まった商店街から、さらに一本奥に入った、ある意味分かりにくい場所に、その店はあった。
 古臭い煉瓦造りの、今時のカフェとは一線を画した、喫茶店。レトロと言えば聞こえはいいが、ただ単に、開業当時のままの姿を今に残しているだけの店だった。

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Under Domain 1-1

 

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「なんだかなあ……」
 社員が退社するのを待って、社屋に忍び込んだ智樹は、がしがしっと頭を掻いきながら呟いた。
 研究室からデータを盗んでくるという依頼だというから、それなりに厳重なセキュリティを想像していたのだ。それも、話を聞く限りでは、他社から盗んだデータを保管しているというぐらいだから。だが、そんな緊張感など、ふっ飛ばしてしまうほど、お粗末なものだった。

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Under Domain 0-3

 

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 きゅっと唇を噛んで、黙ってしまった智樹に、昂は首を傾げながら言った。
「どうした? いきなり黙り込んで」
「……あの、さ。昂」
 聞きたい事は、ただ一つ。
 もう、智樹に仕事をさせないつもりなのか、という事だけだ。それなのに、たったそれだけの言葉が、口から出てこない。

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