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クーラーの良く効いた車から降りた瞬間、身体に絡みついた熱気に、智樹はげんなりとしたように溜息をついた。
まだ、朝の七時を回ったばかりだというのに、やけに暑かった。前日の熱が冷めるまえに、太陽が昇ってしまったからだろうか。
あれから。
両親が智樹の前からいなくなってから、九年がたとうとしていた。
あの日の明確な記憶は、年を追うごとに、どんどん薄れてしまっていっていたけれど、この身体にまとわりつくような暑さと、それと同時に感じた絶望だけは、忘れる事はなかった。
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